Point01

耐震リフォーム工事を行う最大のメリットはやはり「安心な我が家に住むことができる!」ということではないでしょうか。地震の際に建物の損壊を抑えることができ、被害が最小限で済むという点が最大のメリットだとお考えの方も多いと思います。
リフォームが決まり解体をしていくとわかること。それは、木材が腐っていたり、シロアリで傷んだ箇所や、老朽化した部分が出てくることがあります。木材は老朽化したり腐ってしまうと本来の強さを発揮することができなくなり、耐震性が大きく低下します。シロアリの場合は特に、浴室や洗面所が多い北側は要注意です。このような箇所があった場合は、傷んだ木材を取り外し交換します。シロアリ被害があった場合は防腐・防蟻処理を行います。
今回、シロアリ被害はありませんでしたが、老朽化した木材は交換しました。

内壁耐震補強工事の工程
1. 既存の内壁を撤去する
2. 柱や梁など各所に耐震金物を使用し補強する
3. 内壁内部の適切な箇所に筋交いを設置する
4. 壁下地材として構造用合板を張り補強する
5. 室内側に仕上げ材を貼って完成

今回の解体は、基礎の補強も柱補強もありますので、部屋によっては、床や壁をすべて撤去し構造をむき出しにするところから入りました。

Point02

◇壁を強くする・増やす

強い壁を増やすことが耐震補強の第一歩。現在の壁を耐震性の高い壁にすることで「壁の量(強さ)」を増やし、「壁の配置バランス」を改善できます。構造用合板や筋交いによる補強があります。
また、壁の補強を行う際には、柱が引き抜けないように金物でしっかり固定することが重要です(柱頭・柱脚接合部)。

筋交い
建築物や足場の構造を補強する部材で、柱と柱の間に斜めに交差して入れること、建物の耐震性を高める効果があります。筋交いは、木材や鉄骨など圧縮引張の両方に効くものを用いることが多く、木造建築の場合、数本の釘などで止める比較的簡単な取り付け方では、引張力がかかった場合に付け根が外れてしまう危険性があるため、金物を用いて柱や梁に協力に固定します。

構造用合板の役割
1. 強度と耐久性  
構造用合板は高い強度を持ち、建物の耐久性を向上させます
2. 軽量性      
木材に比べて比較的軽量であるため、建物の重量を軽減し、基礎や構造への負担を軽減させます
3. 施工の迅速性  
構造用合板は大きなパネルを使用するため、施工が効率的に進みます

Point03

◇柱補強工事

今回もそうですが、部分的に柱そのものも交換しました。柱が老朽化して十分な強度が得られない場合などに行われる工事なのですが、施工の際は床や壁をすべて撤去して構造をむき出しにしなければなりません。そのため、どうしても工期が長くなってしまい、場合によっては半年以上工事が続く場合もあります。柱の追加工事についても施工内容はほぼ同じで、床や壁を解体して土台や梁をむき出しにしてから工事を行う方法が一般的です。工期については柱を何本追加するか、どこに追加するかによって変わりますが、こちらについても柱交換と同じく工期は比較的長くなります。
金物などによる補強だけの場合は、壁を撤去して金物を設置するだけで施工できますので、ここまで工期が長くなることはありません。
屋外側から外壁に取り付けられる場合や、床の継ぎ目に設置する、屋根裏に取り付けるなどの方法を用いれば、1、2週間の施工も可能です。
金物による施工は柱の追加や交換に比べて短期間で施工できるというメリットがあります、耐震性の向上にも十分な効果を得ることができます。
今回のように柱の追加や交換などを行いましたので、より建物の耐震性を高めることができました。しかし、費用や工期を抑えつつ建物の耐震性を高めたいという場合には、金物による耐震補強工事がおすすめです。


Point04

◇基礎を強くする

足元の基礎も大切です。
ひび割れを補修したり、鉄筋コンクリート造の基礎を足します。
壁が強くても、足元(基礎)の踏ん張りが効かないと、壁本来の強さが出ません。無筋基礎の上にある壁は耐震性が低く評価されるため、壁の補強とsetで行うことで補強個所数を抑えることができます。


Point05

◇外壁を撤去し外側から行う耐震補強工事

外壁リフォームでは既存の外壁を撤去するついでに、断熱工事も行うのがオススメです。工事費用はアップしますが、気密性・断熱性が上がることで、夏涼しく冬あたたかい快適なおうちになります。耐震工事をして、その後10年、20年と長く暮らすなら断熱工事にかけたコストは、光熱費が下がった分で改修できる可能性もあります。
ここでは、部分的ではありますが外側からも補強しました。

今回はやっていませんが、屋根を軽くすることも耐震性を高めます。
建物の屋根は、耐震という部分では軽いほうが耐震性に有利だとされています。これは、屋根が重ければ建物の重心が高くなるため、地震の際に発生した揺れの影響が強くなり、壁や柱などに高い負荷がかかってしまうことが理由です。

※住みながらの工事が可能な耐震リフォーム
小規模な工事であったり、生活するにあたってあまり影響のない部分の工事であれば住みながら行うことが可能です。また、二階建ての家の一階部分を工事して、その間二階だけに問題なく生活することも可能です。
ただし、家全体に補強工事を施す必要があったり、耐震リフォームのついでにおうちを大きく改装しようと考えている場合は住みながらの工事は難しい可能性が高くなります。工事期間中の仮住まいを探しておくと良いでしょう。
今回のお客様は工事期間中、隣の母屋に仮住まいをしていただきました。
★完成までの仕上げは、お客様ご自身でDIYです。

Point06

施工前


Point07

施工後



PAGE TOP